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2013/06/06
野良袋:ちょっとここまでの話を復習してみよう。
並河:はい。
野良袋:広告会社の役割は、お金とモノの交換を促進する存在から、価値と価値の交換を促進する存在へと変わるのではないか、という話だった。
並河:そうですね。
野良袋:そして、その価値とは、今この瞬間の価値だけでなく、潜在的に眠っている価値も含まれるということだ。
並河:はい。
野良袋:こうしたことを「シフト」という考え方で整理してみると、分かりやすい。
並河:「お金とモノの交換を促進する存在→価値と価値の交換を促進する存在へ」、「今この瞬間の価値→潜在的に眠っている未来の価値へ」……。
遂にきましたね。「シフト」が。この連載の名前が、コミュニケーションシフト、略して、こみゅしふ、ですもんね。働き方のシフト、エネルギーのシフトなど、今いろんなところでシフトが謳われていますよね。
野良袋:そうしたムーブメントは人間界では以前からあった。いちばん大きなムーブメントは、2009年9月、アーヴィン・ラズロ博士やゴルバチョフ元大統領らが、持続可能で平和な社会に向けて、一つの宣言を出したことだ。
並河:それが、ワールドシフトですね。
野良袋:そう、ちなみに、ラズロ博士は、そのワールドシフトという著書の中で「アカシックフィールド」という概念を提示していて、それは、「世界中のすべての情報が記された場所」を意味するんだ。
並河:世界中のすべての情報が記された場所? そんなのあるんですか?
野良袋:概念だからな。あるだろう。もしも、そうした概念を、今の人々が必要としたならな。
で、「個人意識→宇宙意識へ」となるわけだが、その話は、今は横においておこう。
とにかく、「現状→未来」を「→」を使って可視化していくと、ものごとがシンプルに整理される。次週からは、広告における「現在→未来」のシフトをいろいろな切り口で見ていこう。
並河:いよいよ、最終回が近づいてきた予感がします。
野良袋:……と、その前に。来週は、まず、フィリップ・コトラーの「マーケティング3.0」をはじめ、いままで広告の世界で言われてきた「シフト」をざっとおさらいするか。
並河:了解です!