2015年は渋谷区や世田谷区を筆頭に、同性パートナーシップ制度が施行されるなどのインパクトのあるニュースが相次ぎ、これまで以上にLGBTへの注目が高まりました。制度が後押しとなり、新たなサービスが誕生するなどの波紋を広げていますが、同時にとても大事なのは「アライ」の存在です。
個人のアライでできることから取り組み始めて、個人が集団になって組織ぐるみでアライになる。個人でできることと、個人が集団になって企業の力で実現できることはスケールが異なります。
LGBTの味方であることを表明する人や企業が社会に増えることが、LGBTの人たちが、それぞれの個性を大切にしながら、過ごしやすい空間を広げることにつながると考えます。
アライにできる、六つのレインボーアクション
アライになることは難しいことではなく、LGBTの味方になりたいたいという気持ちがあれば、誰でもなることができます。ただ、“何もしなくていい”というわけではなく、“行動しよう”という意識を持つことも大切なこと。
そこでDDLが考案したのが「ALLY RAINBOW ACTION(アライ・レインボー・アクション)」です。
1:LEARN!
基本的な知識を知ることも、支援の一つ。理解しようという姿勢を持とう。
2:THINK!
となりの人がLGBTなら?をいつも考えて、自分の言葉や思い込みを見直そう。
3: LISTEN!
相談やカミングアウトをされた時は、ゆっくり話を聞こう。それも一つのできること。
4:TALK!
カミングアウトできない当事者のニーズを代弁しよう。あなたもLGBTの声になれます。
5:PROTECT!
差別的な言動から LGBTを守ろう。話題を変えたり、そっと注意して。
6:SPREAD!
ALLYであることを周りに広めよう。レインボーグッズを持つのもgood。
何から始めても、取り組み始めることで空気が変わっていきます。
「アライ」であることを伝えるマークを身に付けるのも、簡単にできるアクションの一つ。DDLでは、「I’m an ALLY.」マークを作成しました。6色のレインボーカラーに、いろいろな線が交差してできた、チェック柄がシンボルです。6色レインボーは多様性を表し、LGBTのシンボルとして定着しています。LGBTの人たちだけでなく、アライを巻き込んで織りなされる美しい世界が表現されています。
 
「I’m an ALLY」マーク
 
アライを広めるツール「アライ・ハンドブック」
ALLY RAINBOW ACTIONは、ライセンスを得た人に手渡される「ALLY HANDBOOK(アライ・ハンドブック)」でも紹介しました。LGBTを理解し、伝え合うためのツールとして活用できるように、「LGBT調査2015(※1)」や「ライフ・ユニット(※2)調査2016」(いずれもDDL発行)のポイントを分かりやすくビジュアライズしたインフォグラフィックも掲載しています。
(※1)LGBT調査2015:日本のLGBT層の人口比率7.6%という数字は大きなニュースになりました。
(※2)ライフ・ユニット:DDLでは、多様な家族の在り方を認める時代にふさわしい、家族の新しい呼び方として「ライフ・ユニット」を提唱しています。
 
 
アライ・ハンドブック
ブースを訪れた人たちの反応を見てみると「これから、アライテストを行います」というと「ええ?! 落ちるかも!」と尻込みする人も、言葉を交わしてみると「それなら、できます!」と笑顔に。
「自分はLGBT当事者なので、アライではありません」という人にも「自分とは違うセクシュアルマイノリティーの人たちのことを支援する、という意味もありますよ」と伝えると、積極的に参加していただけました。
電通ダイバーシティ・ラボはこれからも電通らしいソリューションを通して、「ちがい」が価値となる、多様性あふれる豊かな未来の実現を目指します。
 
●電通ダイバーシティ・ラボ(DDL)
人権や国籍、年齢、性別やジェンダー、障害の有無、言語や文化の違いなど、「人と人との『ちがい』を大切にする多様性あふれる社会が『豊かな未来』につながる」という考え方に基づいて、電通と電通グループの様々な領域のスペシャリストから結成されたソリューション・ラボです。
多様性あふれる豊かな未来の実現に向け、主に「障害」「ジェンダー」「多文化共生」「ジェネレーション」の4つのテーマを設定して、企業や団体にダイバーシティに関するナレッジや具体的なソリューションを提供しています。
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URL: http://www.dentsu.co.jp/ddl/
E-mail: diversity@dentsu.co.jp
 
●ダイバーシティウェブマガジン「cococolor」とは
 cococolor
cococolorは、人々の違いを、豊かな「個性」として尊重することが、みんなが楽しく暮らせるダイバーシティ社会を形成するヒントになるという信念のもと、電通ダイバーシティ・ラボが運営しているウェブマガジンです。
障害・ジェンダー・年齢・国籍・人種…など様々な切り口から人の多様性に関わるテーマを扱っており、ダイバーシティをより身近なものに変えていくことを目指しています。