1分で分かる海外消費者インサイトNo.11
訪れたい日本の地方は? 人気のキャラクターは? ジャパンブランド調査クイズ5選
2016/10/31
東京2020オリンピック・パラリンピックまで4年を切りました。また、2015年度の訪日観光客は2000万人を突破し、世界の日本に対する注目がさらに高まっています。
世界の人々の目に、今の日本はどう映っているのでしょうか? 日本の観光や土地、食や製品などの“ジャパンブランド”は海外でどんな評価を得ているのでしょうか?
電通の「チーム・クールジャパン」と電通総研「ジャパノロジー」プロジェクトは2016年4月に世界20カ国・地域で「ジャパンブランド調査2016」を行い、海外消費者の意識と実態を10問でお伝えしました。ここでは、特に反響の大きかった5問を選んでクイズ形式で紹介します。
Q. 日本のことを好きな国は?
A. 1位はタイ。ASEAN諸国がトップ5を占める
「とても好き」と「まぁ好き」を合わせた日本への好意度トップは、訪日意向でも1位のタイで、トップ5はASEAN諸国が占めています。
上位は各地域とも僅差で、特に9割以上の好意度を持つ国・地域はアジアが独占しており、非常に高い好意を得ている結果になっています。
また、対前年比を見ると15ポイント伸ばしたアメリカを筆頭に、カナダ、イギリスが数値を伸ばしており、欧米でも日本への好意の高まりがうかがえます。
Q. 日本でやりたいことは?
A. 日本でやりたいことは、「日本食を食べる」こと。ショッピングの人気はさらに上昇中、欧米でも人気
全体では1位が「日本食を食べる」、次いで「自然・景勝地観光」「ショッピング」という結果に。全エリアのうちインド、インドネシア、ブラジル以外では「日本食を食べる」が1位で、ユネスコ無形文化遺産としての日本食の人気はもはや不動のものとなりつつあるようです。
欧米の2位以降に注目すると、「史跡・歴史的建造物観光」やお茶、お花などの「伝統文化体験」といった文化的な体験への興味関心もうかがえ、ドイツやアメリカ、フランスなどの国では「ショッピング」も人気です。
また、韓国やシンガポール、タイなどアジアの多くのエリアでは「温泉」が、インドや香港、韓国では「ショッピング」が上位にランクインしています。
昨年からポイントが伸びた「ショッピング」では、伝統文化を感じられるものを買いたいという欧米人の声も聞きます。伝統的な文化体験などに限らず、幅広い日本の楽しみ方を期待する人が増えているようです。
Q. 訪れたい日本の地方は?
A. 東アジアやタイでは「北海道」の人気が上昇
訪れたい地方1位は不動の「東京」、2位は「大阪」でした。全体では4位に「北海道」、5位に「沖縄」がランクインし、地方ブームが加速しているようです。
中国(北京、上海)、香港、韓国、台湾の東アジアとタイに限ると、訪れたい日本の地方トップは「北海道」。「沖縄」も香港では2位、その他のエリアでは5位にランクインしています。
著者自身、実際に地方に行った際に、外国の方を見かけることも多くなったと感じます。東アジアや東南アジアでは、来日経験が複数回ある人も増え、東京や大阪、京都以外の土地へ足を運び、その地方ならではの日本を楽しみたい人が増えているのではないでしょうか。
Q. 日本の地方で体験したいことは?
A. 地方で体験したいこと1位は「温泉」。「自然」「桜」など季節・エリアが限定されたツウな楽しみ方が人気に
食文化や観光名所、四季折々の風景など、その土地ごとに異なる魅力を持つ日本の地方。そこで地方で体験したいことを聞くと、全体として「温泉」「自然」などその土地ならではの体験、「桜」といった季節が限定される四季の体験が人気になりました。
また、「日本式庭園」「庶民的なローカルフード」など、日本文化が感じられるものがトップ5にランクイン。日本への理解が深まっているがゆえの結果、とも考えられます。
さらに、地方でやりたいことで特色のある国や地域を抜粋して紹介すると、「和牛」は香港、ご当地「ラーメン」は台湾やフィリピン、「城・城址」「滝」はロシア、「祭り」はアメリカで人気が高いなど、関心が異なる結果となりました。アジア以外のエリアでもいろいろな日本の観光資源への関心の高まりがうかがえます。
Q. 日本のキャラクターやコンテンツの認知・好意度は?
A. 認知では「ポケットモンスター」、好意では「ドラえもん」が1位に
認知における全体のトップは「ポケットモンスター」、好意におけるトップは「ドラえもん」でした。本調査は、世界中で大ブームになっている「ポケモンGO」のローンチ前に行っていますが、「ポケットモンスター」の認知は「ポケモンGO」が流行する前から非常に高い結果であることが分かります。
エリア別では、上位の「ポケットモンスター」や「ハローキティ」「ドラゴンボールZ」はアジアだけでなく欧州や北米での認知も高く、全エリアで人気を博しているようです。
他方で「ドラえもん」「名探偵コナン」「ウルトラマン」「クレヨンしんちゃん」はアジアでの認知は比較的高いものの、欧州や北米では認知度が低く、エリアや地域によって差も見られました。
日本企業が海外進出をする際にキャラクターを起用することも増えています。それぞれのエリアで受け入れられている日本のキャラクターは、世界に通じるパワーを持っていそうです。
いかがでしたでしょうか? 皆さんの予想と異なる結果も意外とあったのではないでしょうか。
2020年の政府のインバウンド目標値は4000万人。海外消費者はますます重要なターゲットになってきます。「ジャパンブランド調査2016」を活用し、海外消費者の意識と実態を知り、マーケティング活動に生かしていただけたらと思います。
1問1答!1分で分かるジャパンブランド調査2016
Q1 訪日意向が高い国は?
Q2 日本でやりたいことは?
Q3 訪れたい日本の地方は?
Q4 日本の地方で体験したいことは?
Q5 世界遺産で最も認知度が高いのは?
Q6 日本のことを好きな国は?
Q7 Made in Japanの評価は?
Q8 訪日客の日本での情報源は?
Q9 日本食材を買う目的は?
Q10 日本のキャラクターやコンテンツの認知・好意度は?
<ジャパンブランド調査2016の概要>
●目的:日本の食や観光、製品など「ジャパンブランド」全般に関する海外消費者の意識と実態を把握し、企業のマーケティング活動を支援。
●対象エリア:20カ国・地域
中国(北京、上海)、香港、韓国、台湾、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
●調査手法:インターネット調査
●対象者条件:中間所得層以上の20~59歳男女
●サンプル数:地域ごとに200ss、計4000ss
●調査期間:2016年4月25日~5月18日
電通 チーム・クールジャパン
日本の文化や強みを生かした商品・サービスを海外市場に展開していく「クールジャパン関連事業」推進のために発足した全社横断プロジェクトチーム。電通は経済産業省のクールジャパン機構(ファンド)へも出資。海外展開するクライアント企業の担当者やメディア・コンテンツ担当、海外の現地法人ネットワーク担当、プロデューサー、プランナーが集まり、魅力的な日本を世界に打ち出していく取り組みを行っています。
電通総研「ジャパノロジー」プロジェクト
2020年とその先に向けて、経営課題としての文化に焦点を当てた取り組みを電通総研で進めています。グローバル化を進める日系企業、日本市場の攻略を目指す外資系企業に異文化マネジメントや組織文化診断のワークショップやトレーニングを提供いたします。