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実はSDGs目標達成の推進役?~第2回SDGsに関する生活者調査「女性」考察編

2019/08/09

今回は、2019年2月に実施した「第2回SDGsに関する生活者調査」の結果から、女性に関する分析・考察編をレポートします。

現状、女性のSDGs認知度は11.6%で、男性の20.5%に比べて約2分の1に留まっています。ですが、SDGsに対する彼女たちの関心や共感のポイント、実践状況について分析をしてみると、認知度の低さからだけでは見えてきづらかったSDGsへの関与実態が明らかになりました。

最もSDGs実践度が高い専業主婦層

「SDGs実践度」を見てみると、女性全体の中でも特徴的な属性がありました。
17目標それぞれを説明した上で、
・この目標に取り組んでいる企業の商品を買ったり投資をしたりしているか
・この目標のために活動しているNPOや団体に参加しているか
・この目標のために個人的に実践しているか
を尋ね、いずれかにイエスと回答した人を、本人のSDGs認知有無に関わらず「実践している」としたとき、女性の中では有職既婚女性(フルタイム勤務)58.3%や有職未婚女性(フルタイム勤務)44.6%などに比べて、専業主婦は64.9%と、全属性の中で実践度が最も高かったのです。

今回のレポートでは、この専業主婦層にフォーカスしてみたいと思います。

なお、専業主婦の中には、第1回でご紹介している「無意識実行層」が多く含まれています。無意識実行層とは、「SDGsは知らなかったが、多くの目標に取り組んでいた」という方々であり、全体に占める割合は20.6%と、SDGs認知者16%よりも多く存在しています。

その無意識実行層の中で専業主婦の占める割合は21.6%となり、意識的実行層の内13.5%、知識先行層の内13.0%に比べて無意識実行層の割合の高さがうかがえます。

「SDGs実践度」が高いという結果の出た専業主婦層ですが、具体的にはどのようなアクションを起こしているのでしょうか。
目標別に実践度をそれぞれ整理してみると、以下のようになりました。

「6:安全な水とトイレを世界中に」は全体よりも約8ポイント、「3:すべての人に健康と福祉を」は全体よりも約5ポイント、「12:つくる責任つかう責任」は全体よりも約4.5ポイント高い結果となりました。

それぞれ具体的には、節電や節水を心掛けていたり、健康診断を受けること、エコバッグを使用すること、詰め替えパックを購入することなど、日常生活と親和性の高い身近なアクションを多数実践している様子がうかがえます。

また、専業主婦層の中でSDGs認知層と非認知層を分けて分析をしてみると、多数を占めるSDGs非認知層の実践度が62.2%なのに対し、SDGs認知層の実践度は86.7%と24.5ポイントも高くなります。SDGsを認知していなくても実践度の高い専業主婦層ですが、SDGsを認知することで、より一層実践度が高まると推察されます。

つまり、専業主婦層に対してSDGsの認知度を高めるコミュニケーションを行うことは、SDGsの普及を加速させ、目標達成の推進役となる可能性が示唆されます。

専業主婦層におけるSDG実践期待度、利用意向

最後に、専業主婦層における自治体や企業へのSDGs実践の期待度を見ていきたいと思います。

自治体に対しては、「自分が住んでいる自治体(地域)でも積極的にSDGsに取り組んで欲しい」や「SDGsへの取り組みを宣言し、活動している地域を応援したい」という意向が強く、「ふるさと納税をするとしたら、積極的にSDGsに取り組んでいる地域を選びたい」という実践に結びつく項目も全体より8ポイント程度高い結果となりました。

さらに、SDGsに関係あるような企業の商品やサービスを選んでいきたいという利用意向については、全体が36.9%に対し、専業主婦は46.1%と、10ポイント弱も高い結果となり、SDGs実践を応援する意思が消費行動に反映されていくポテンシャルを感じる結果となりました。

以上のように、電通Team SDGsでは、性年代別だけでなく、学生・職業の属性別や世帯年収別など多角的な視点でSDGsに関する分析を行うことが可能です。

次回の連載では、17目標ごとの注目トピックスをご紹介いたします。