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デジタル広告の新潮流。「コンテクスチュアル広告」でブランディング!No.5

クッキーレス時代の最前線。動画広告の“真価”を可視化せよ!

2024/05/20

左からThe Trade Desk Japan 曽根崇智氏、電通デジタル 遠藤周氏、GumGum Japanイ・ジュンス氏 、GumGum Japan土居博通氏
左からThe Trade Desk Japan 曽根崇智氏、電通デジタル 遠藤周氏、GumGum Japanイ・ジュンス氏 、GumGum Japan土居博通氏

本連載では、コンテクスチュアル(文脈)ターゲティング広告のトップランナーであるGumGum Japanと電通グループ各社の取り組みを通じて、「クッキーレス時代」のデジタル広告の最新トレンドをお伝えします。

例えば、「自動車関連の記事に、自動車ブランドの広告を表示する」など、ブランドと関係が深いメディア・コンテンツに配信されるのが、コンテクスチュアルターゲティング広告です。

「記事に興味を持って見に来たユーザー」に対し、その記事と関連性の強い広告を掲出する。これがコンテクスチュアル(文脈)ターゲティングだ。

今回はグローバル大手DSPのThe Trade Desk、GumGum Japan、電通デジタルの3社協働による、フォルクスワーゲンのブランディング広告事例をご紹介します。

メディアやデバイスを横断して広告配信し、詳細に「アトリビューション分析」ができるThe Trade Desk

「コンテクスチュアル広告」「リッチアド」「アテンションタイム」といった最新のデジタル広告技術を提供するGumGum Japan

両社との取り組みを通じて見えてきた、デジタル広告の「今」とは!?

<目次>
これまでのブランディング広告の効果測定に欠けていた“見えざる間接効果”

複数メディアの「CVパス」から、動画広告のCV貢献度を測定する

ブランドリフトと相関関係がある「アテンションタイム」とは?

クッキーレス時代にふさわしい、より本質的な広告のあり方を追求する

 

これまでのブランディング広告の効果測定に欠けていた“見えざる間接効果”

電通デジタル遠藤氏
電通デジタル遠藤氏

──はじめに、皆さまの自己紹介と、本プロジェクトにおける役割を教えてください。

遠藤:Dentsu Digital Global Centerでプランナーを務めている遠藤です。国内外のクライアントのマーケティング業務、主にデジタル領域における戦略立案、プランニング、実行までを一気通貫でサポートしています。

曽根:アメリカに本社を置くThe Trade Desk(以下、TTD)でトレーディングディレクターを担当している曽根です。

TTDは広告主のデジタル広告配信を支援する、DSP(※1)の提供に特化した企業 です。特定のメディアやSSP(※2)とのしがらみのない第三者の立場から、フラットにデータを分析することで、広告主にとって一番メリットのあるメディアバイイングができる点が大きな特徴です。オムニチャネル戦略にも対応し、GumGumを含め多くのSSPへの配信結果や、詳細な広告効果を横断的に分析できます。

※1 DSP(デマンドサイドプラットフォーム)=デマンドサイド、つまり「広告主側」の広告買付を支援するシステム。メディア側を支援するシステムであるSSPと接続して複数のメディアを一括管理し、広告主の希望通りになるよう入札・配信・分析を支援する。

※2 SSP(サプライサイドプラットフォーム)=サプライサイド、つまり「メディア側」の収益化を支援するシステム。インターネット上で広告枠を提供しているメディアが、無駄なく広告枠を販売・活用し、収益を最大化できるように支援する。

 

ジュンス:コンテクスチュアル広告のアドプラットフォームを提供するGumGum Japan(以下、GumGum)で、広告運用を担当しているジュンスです。今回のフォルクスワーゲンのプロジェクトではSSPとして、電通デジタル・TTDと連携しながら、広告運用の最適化に取り組んでいます。

土居:同じくGumGumで、セールスディレクターを務めている土居です。電通デジタルをはじめ、広く電通グループの案件を担当しています。GumGumが提携する各メディアとの窓口に加え、今回のフォルクスワーゲンの案件では、TTD・電通デジタルとの連携を行いました。 

──今回のフォルクスワーゲンの施策の概要を教えてください。

遠藤:今回のプロジェクトでは、フォルクスワーゲン「ID.4」のブランディングを主な目的として、広告を配信しました。「ID.4」は、同社が日本国内で初めて展開するEV(電気自動車)です。

具体的には、 メインターゲットであるEV検討層を中心としたユーザーに向け動画広告を配信しました。さまざまなコンタクトポイント で「ID.4」のブランドメッセージを届けるべく、TTDを活用して複数のメディア・デバイスを横断したキャンペーンを展開し、 メディアの一つとしてGumGumのコンテクスチュアル広告を活用したのです。

配信にあたり、TTDが提供する「アトリビューション分析機能」を用いて、ウェブ上のコンバージョン(CV)ポイントに対しての「経路」を分析しました。つまり、「最終的にCVに至った広告のクリック」だけでなく、その広告をクリックする前にどこでどの広告に接触してきたのかを分析しています。この経路のことをコンバージョンパス(CVパス)と呼んでいます。

──TTDのアトリビューション分析とはどういったもので、それによってどのような課題を解決できるのでしょうか?

曽根:多くのユーザーは、ウェブ上で興味のあることを調べたり、さまざまなコンテンツを楽しむ過程で複数のSSP経由の広告を閲覧し、CVに至ります。こうした「CVに至るまでのプロセス」を解析するのがアトリビューション分析です(※3)。

※3 アトリビューション分析=ユーザーが最後にクリック/タップしてCVに至った広告だけでなく、そこに至るまでの広告接触などの行動を可視化し、CVへの間接的な貢献度を測定する手法。
 
アトリビューション分析でわかる「コンバージョンパス(経路 )」
ユーザーは、さまざまなメディアやSSPを経由してCVに至る。今回は「ディーラー検索ページを訪問」というCVを設定。すべてのCVにおけるパス(経路)をフローチャート化して分析したところ、他のメディアやSSPと比較して、GumGumのコンテクスチュアル広告のCV貢献度が2倍近く高かった。上図は全体像を簡略化したもので、実際はもっとはるかに多くの経路が存在する。

遠藤:その結果、GumGumのCV貢献度が、他のSSPと比べて高いことが分かりました。これにより、CV貢献度が高いGumGumに予算を最適化した運用を行い、ユーザーの態度変容を効果的に促す「価値のあるインプレッション」の創出につなげていった、というのが今回の取り組みの大筋です。

──電通デジタルでは、広告主のトップファネル施策におけるデジタル広告の課題感をどのように受け止めていましたか?

遠藤:従来のデジタル広告 は、いわゆるマーケティングファネルにおけるボトムファネルでの、CVやCPAのパフォーマンスを目的とした“刈り取り型"が中心になりがちでした。しかし、近年はデジタル広告においてもトップファネルで「ブランド認知を高めること」の注目度が上がっており、それに対応するように動画広告やリッチクリエイティブに強みを持つプラットフォームが増えてきています。

ただし、トップファネルのブランディングに対し、従来のようにリーチ、インプレッション、CPM、完視聴率(VCR)などの指標を用いた効果検証をしていては、「本質的な広告効果」の評価や深掘りには限界があります。広告主側もブランド認知を高める施策の重要性については一定の理解はしているものの、どうしても費用対効果・事業貢献度が見えにくいことから、予算配分に苦労しているケースもあります。

これらの課題に対し、TTDの高度な分析機能により、「ブランディングの見えざる事業貢献度」を可視化できたのが、今回のプロジェクトの大きな成果です。

──プロジェクト内での電通デジタルの役割をお聞かせください。

遠藤:広告主にとって最適な広告配信を実現できる「運用体制の構築」が主な役割です。TTDとはプロジェクト開始から週次で定例会を開き、広告運用のコンディションのチェックや細かな調整をしています。

また、GumGumを含めたSSP各社とも直接対話をし、各社のパフォーマンス状況のモニタリングやフィードバック・改善を行っています。その他にも各社のソリューションアップデートなど、さまざまな情報を常にキャッチアップし、リアルタイムに施策に落とし込んでいける運用体制を敷いています。

曽根:電通グループ各社にはリテラシーの高いメンバーがそろっているだけでなく、きちんと分析して「具体的なアクション」につなげようとされる姿勢が非常に強い印象です。当社が提供する大量かつ多彩なデータを広告配信において使いこなすのは、誰でもできることではありません。

それがカルチャーなのだと思いますが、特に電通デジタルのメンバーには、まだ国内では誰もやったことのない海外の事例も積極的に取り入れるようなフロンティアスピリットを感じます。

遠藤:今回ご一緒しているTTDとGumGumはどちらもアメリカ発の企業ということもあり、電通USを中心とした電通グローバルとの連携も強いです。海外の先進事例を国内に展開していくなかでも2社にはご協力いただいています。

土居:GumGumのようなSSPは、電通デジタルから発注をいただく立場なのですが、広告主の目標達成に向けて一緒に取り組むパートナーといった視点でフラットな関係性を築いてくださっているので、非常にやりやすいですね。


複数メディアの「CVパス」から、動画広告のCV貢献度を測定する

The Trade Desk Japan曽根氏  
The Trade Desk Japan曽根氏  

──アトリビューション分析が、広告主にとってどのようなメリットがあるものなのか教えてください。

曽根:TTDは、DSPサービスのみを提供しており、しがらみのない立場であるため、複数メディア/SSPを横断した配信をフラットに分析できるのが特徴です。取得したデータには、プライバシーに配慮したうえで、ユーザーがいつどこで、どのデバイス/メディア上で、どのクリエイティブに接触したのかなど、豊富な項目が紐づけられています。

特定のメディアに忖度せず、非常に豊富なデータを広告主に提供できるため、今回のCVパス分析のようなアウトプットやインサイトを出すことができます。これは他社と比較したときのTTDの強みだと思います。

遠藤:全インプレッションをもとに、どのメディアに接触して間接的にCVにつながったのか、具体的なメディア名も含めて可視化してくれる。透明性や公平性を担保しながらCVパスを評価できる点が、革新的だと思います。

曽根:今回のプロジェクトでは、さまざまなメディア/SSPでの広告配信を行いました。そして統合的に分析したところ、本結果では、GumGumの広告は間接CV貢献度が非常に高いことが分かりました。

GumGumのインプレッションシェアとCVシェア
全インプレッションにおけるGumGumのシェアは、22%。しかし、「試乗車検索問い合わせ完了」というCVにおけるシェアは52%、「ディーラー検索ページへの訪問」というCVにおけるシェアは64%だった。これらのCVシェアは、インプレッションシェアに対し、それぞれ2.4倍、2.9倍になる。

遠藤:GumGumのキャンペーンを他メディアやSSPと比較すると、インプレッション数に対する「問い合わせ完了」のCV比率が2.4倍高いということが分かりました。また、「ユーザーがディーラー検索ページに訪れた」のCV比率は2.9倍に及びます。このように、インプレッションに対するCV数のシェアが他メディアと比べて2倍以上であるため、GumGumはCV貢献度が高いと考えられます。

ブランドリフトと相関関係がある「アテンションタイム」とは?

GumGum Japan土居氏
GumGum Japan土居氏

──なぜ、GumGumはCV貢献度の高い広告配信を実現できたのでしょうか? 

土居:GumGumは、以下の3つのソリューションを特徴としています。

  1. ターゲットユーザーのモーメントを捉えた「コンテクスチュアルターゲティング」
  2. コンテクスチュアル広告に最適化された質の高い「リッチクリエイティブ」
  3. ユーザーの広告に対する注視率を数値化した「アテンションタイム」

これらを組み合わせることで、ユーザーの態度変容を起こすことに大きな強みを持っています。

関連記事:
「文脈ターゲティング」、驚異の効果!次世代の運用型広告とは?

 

当社以外にもコンテクスチュアル広告やアテンションタイムを提供するベンダーはありますが、GumGumはテクノロジーやクリエイティブの面で優位性があると考えています。

例えば、コンテクスチュアル広告については、日本語を一度英語に変換して文脈を解析するベンダーが多いのですが、それでは精度が下がります。当社は日本語を日本語として正しく理解できるテクノロジーを備えているので、より「文脈的」にマッチするコンテンツ上に広告を配信できます。

また、テキスト情報だけでなく、画像、音声、動画などを含む情報を網羅的に解析した上でターゲティングできます。

※コンテクスチュアル広告=文脈(コンテキスト)解析により、ブランドとマッチしたメディア・コンテンツ上に掲出され、そのブランドと相性の良い生活者にリーチできる運用型広告。

「GumGumクリエイティブギャラリー」
https://japan-gallery.gumgum.com/
※PCブラウザー版、スマートフォン版(縦・横)、タブレット版(縦・横)表示切替可能

次にリッチクリエイティブについては、ただ静止画と動画を組み合わせるのではなく、クライアントが伝えたいメッセージや商品の特徴を捉え、コンテクスチュアル広告として適切なクリエイティブ表現を追求しています。

フォルクスワーゲンのEVの動画広告が、「文脈解析」によってニュースサイトの広告面に配信された様子。広告と記事内容に齟齬(そご)がないことに加え、よりEVらしさが視覚的にも伝わるようにケーブルが車に刺さるという演出が施されている。

最後に、ユーザーが広告をきちんと視聴した秒数を、「アテンションタイム」として計測することで、実際にどれだけの関心が示されたのかを数値化できます。

参考記事:
アテンション指標をいかに活用すべきか―日本市場独自データを保有するGumGum Japanに聞く

 

今回も、この3つを組み合わせてユーザーの行動変容を引き起こせた結果、高いCV貢献度につながったのだと思います。

ジュンス:中でも、GumGumが、「アテンションタイムを活用した広告運用の最適化」を広告配信中に”リアルタイム”で可能にするという点は大きな強みです。従来、広告のインプレッションについては、ただ表示されただけなのか、それともじっくり視聴してもらえたのか、どちらのケースでも「1インプレッション」となってしまっていました。ユーザーが広告を注視しているかどうかを測定するアテンションタイムを分析に加えることで、より精度の高い効果測定が可能になります。

──例えばどのような使い方があるのでしょうか?

ジュンス:動画広告にはもともと「CPCV」(動画再生完了1回あたりのコスト)や「VCR」(動画再生完了率)といった指標がありました。そこにアテンションタイムの指標を加えると、例えば「CPCVやVCRは高いけれど、実はアテンションタイムが長くなかった」といったところまで可視化できます。

そしてアテンションタイムの数値とブランドリフトには密接な相関性があることが分かってきているので、PDCAを回す中で「アテンションタイムの低い広告」を除外することで、広告運用の成果を高めることができます。


クッキーレス時代にふさわしい、より本質的な広告のあり方を追求する

GumGum Japanジュンス氏
GumGum Japanジュンス氏

──目まぐるしく変化するデジタル広告の世界で最先端の潮流にチャレンジする3社ですが、デジタル広告の現状に対する課題や、未来に向けた展望をお聞かせください。

ジュンス:国内の広告主と話していると、クッキーレス時代の対策を具体的にイメージできていないケースも多々あります。その一つの選択肢として当社のコンテクスチュアル広告が有効であることを、今後より広く発信していきたいです。サードパーティクッキーの「代替」というよりも、より「本質的」なターゲティングができるのがコンテクスチュアル広告だと思っています。

そしてアテンションタイムも従来の市場にはなかった指標なので、まだまだ理解が進んでいませんが、これも「本質的な広告効果」を評価できる指標です。特にブランドリフトとの相関性の高さなどを世の中に浸透させていくことが、当面のミッションです。

遠藤:電通デジタルとしては、「すでにブランディング広告の成果も科学できる時代が来ている」ことを、日本の広告主にも広く伝えていきたいと思います。
「クッキーレス時代」の到来で、従来のターゲティング広告でCPCやCPAといった指標を追い求めることに限界が訪れつつあります。

限られたデータや断片的な広告指標の中で最適化を行うのではなく、アテンションタイムをはじめとする「本質的な指標」を用いた運用の重要性はますます高まります。例えば、どのメディアが最もターゲットユーザーの「アテンション」を獲得できているかは、広告運用において大きな判断材料になるでしょう。

広告主とユーザー双方にとって価値のある広告を実現するために、こういった最新の技術を積極的に活用していきたいです。

曽根:国内のデジタル広告の現状の課題としては、プラットフォーム間の投資のバランスのねじれも挙げられます。ユーザーの可処分時間の60%以上は「オープンウェブ」で過ごしているのにもかかわらず、広告投資額は大手プラットフォーマーの「ウォールドガーデン」に集中しがちです(※4)。

※4 オープンウェブ、ウォールドガーデン=特定のソーシャルメディアや検索サイトなど、一つの事業者がサービスを運営し独占的にユーザーデータを管理するプラットフォームを「ウォールドガーデン」と呼ぶ。これに対して、独立したニュースサイトやブログ、フォーラムなどの複数の事業者をまたがったエコシステムをオープンウェブと表現する。

 

オープンインターネットとウォールドガーデン
ユーザーはオープンインターネットに費やす時間が長いが、広告費はウォールドガーデンに集中しがちな状況がある。広告費はAPACにおけるデータだが、日本における傾向もほとんど変わらない。図はThe Trade Deskウェブサイトより

マーケター本人もユーザーとして慣れ親しんでいるであろうウォールドガーデンは、とっつきやすい一方で、広告主やメディアはプラットフォーム側の決めたルールに従わざるを得ません。

しかし、メディアバイイングにおいてプラットフォームはあくまでもツールであり、主体は広告主やメディアであるべきだと考えています。今のままではメディアが正しく評価されず、良質なコンテンツの流通が減ってしまう懸念があります。

その点TTDでは、プラットフォームに縛られずフラットに分析・配信できます。ユーザーを中心に据えたオープンウェブのエコシステムの中で、横断的でフラットなデータを、ユーザープライバシーを守りつつ、広告主に伝えられます。そしてその上で、データを踏まえた最適な意思決定は、広告主に委ねることが理想的なあり方ですよね。

遠藤:日本ではインターネット広告費の大半はウォールドガーデンに投資されていますが、海外ではオープンウェブへより多くの投資が行われています。つまり、日本ではまだまだオープンウェブのポテンシャルを科学できていないということが見てとれます。今回のプロジェクトは、オープンウェブの可能性を示せた事例です。 

曽根:同感です。オープンウェブでは広告の質やアドフラウド(不正・詐欺広告)の問題を懸念される方もいますが、DSPやSSPを使えば、不正を排除したり、過度に広告が接触しないようにメディアを横断して適切なフリクエンシー(広告の表示回数・頻度)を設定できるなど、ユーザーに配慮した形で配信をコントロールできます。今後はさらにその認知を広げていく必要があると思っています。

土居:ブランディングは、「ユーザーの心にどう変化をもたらすか」が重要です。そういう意味では、トップファネル施策としての動画広告においては、CPCやCPVといった指標は必ずしも最適解ではないケースもあります。それよりも、「ユーザーにとって適切なモーメントに適切な広告」を出すコンテクスチュアルターゲティングを活用したり、アテンションを重要指標としてプランニングしていくことが大切ではないでしょうか。 

先ほどアドフラウドの話もありましたが、強引にインプレッション数を増やすことは、広告本来の目的とは異なります。広告がユーザーの邪魔になってしまったり、ブランドの毀損(きそん)につながってしまっては本末転倒です。GumGumはTTDや電通と協力しながら、より健全なインターネットの広告環境を作ることに貢献していきたいです。

遠藤:そうですね、クッキーレスが本格化する2024年は広告の本質を再定義することに直面するタイミングだと思うので、私たちもアテンションやコンテクスチュアルなど、時代を捉えた新たな技術革新を広告主にしっかりと伝えていき、クライアントのデジタルマーケティングをリードしていきたいと思います。本日はありがとうございました!

        
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