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採用課題は、経営課題。採用にもクリエイティビティを。No.14

採用の「先」を開く!就活生へのキャリア・コンサル

2024/08/05

2024年2月に発足した、電通のコンサルティングチーム「採用ブランディングエキスパート」は、クライアント企業の採用ブランディングを支援する他、就活生のキャリア形成のサポートも行っています。企業と就活生、両面へのアプローチを通じて、新時代のより良い就活をデザインしています。

本記事では、採用ブランディングエキスパートの増田健人氏と渡邉里奈氏が、就活生に向けたキャリア・コンサルの一例として、「エンカレ大学」(※)で行った4回の講義をダイジェストで紹介。記事を通して、就活生へどのようなアプローチを行っているのか、お伝えします。

※エンカレ大学:日本最大級のキャリア支援NPO法人「en-courage(エンカレッジ)」が運営するキャリア学習コミュニティ。「採用ブランディングエキスパート」は、「エンカレ大学」で、就活生のキャリア形成をサポートしています。講義では、就職活動期間に限らず、そもそものキャリアの描き方から自己分析、未来の見通し方、そして、描いたキャリアの実践に至るまで、幅広い領域で知見を提供しました。
 

採用ブランディングエキスパート

<目次>
講義①:キャリアを構想するための「企画力」を伝授する

講義②:「個性」を見つけるための自己分析のヒントを伝授する

講義③:「未来を描く力」を伝授する

講義④:「描いたキャリアの実践法」を伝授する

企業も学生も支援する「採用ブランディングエキスパート」


講義①:キャリアを構想するための「企画力」を伝授する

採用ブランディングエキスパートに所属する、元電通社員の小島雄一郎氏が登壇。「元電通ビジネスデザイナーが教える どんな状況でも人生を面白く変換する『企画力』」と題し、就活、キャリア形成、そして、人生を豊かにするうえで有用なツールとなる「企画力」についての知見を紹介しました。

そもそも、学生にとって就活とは、単なる「企業選び」というよりも、「人生構想の第一歩」だと言えます。そう捉えると、年収や福利厚生、配属……という短期的な視点からだけではなく、「どんな人生を歩みたいのか」「何を成し遂げたいのか」など、自分の幸せ、人生の在り方……という長期の視点からも、向き合う必要があるでしょう。そんなときに役立つのが「企画力」であると小島氏は語ります。

採用ブランディングエキスパート

講義の中で小島氏は、企画力とは「面白くて実現できる」選択肢を出すことであり、「面白さ」とは「既視感がなく、希少性が高いこと」と定義。自身の電通でのキャリアを引き合いに出しながら、紆余(うよ)曲折しながらも自分が実現できそうな「空き地ポジション」を見つけていくことで、人生をより面白く変換できる、と述べました。

また、企画力を形成するための手法として、企画力の磨き方についても言及し、「企画の良さは考えた量に比例するので、時間をかけずに量を出す技術を身につけることが大事である」と、就活生に伝えました。

世間一般でいう正しさよりも、「企画」の発想を通じて、自分にとって面白いキャリアとはどんなものか、社会的に希少なキャリアとはどんなものか……という視点で就職活動に臨むことで、より充実度の高い選択ができそうです。

本講義は、不透明、VUCAといわれる今の時代、電通の重要なケーパビリティである「企画力」を生かすことで、新しくて自分に合った就職活動への取り組み方を構想する営みであるともいえます。

講義②:「個性」を見つけるための自己分析のヒントを伝授する

採用ブランディングエキスパート所属・三浦優氏が登壇。「過去と未来を繋(つな)ぐ、ライフキャリアプランニング講座(前編)」と題して、就活における「自己分析」をサポートするべく、マーケティング手法の3C分析をベースとした新しい自己分析の型を提供しました。

「自己分析」とは、就職活動の一環として、自分の特徴や強み・弱みを分析することで、自分のキャリア選択の「軸」を見つけるステップを指します。しかし、人生を振り返って自分を客観的に分析することは難しく、就活生は自己分析で就活の壁にぶつかることが多いです。

そんな就活生の悩みに応える形で、電通のビジネスにおける「企業や商品・サービスの価値を把握して、それを適切な相手に、適切なカタチで伝えるためのメソッド」を転換し、就活生が「自分」と「社会」をつなぐためのヒントを提供しました。

採用ブランディングエキスパート

講義の中で、三浦氏は、過去の就活生に向けたワークショップの実施例をもとに、自社・競合・顧客の3要素で現状を分析するマーケティング手法「3C分析」になぞらえ、以下のステップで「自分」 「他の就活生・同世代」 「企業/社会」視点で自己分析する方法を紹介しました。

  • STEP1:自分視点で、自分の歴史をひもとき、意味を見いだす
  • STEP2:同世代/ライバル視点で、新しい自分に気づく
  • STEP3:社会/企業視点で、社会がみている若者像と自分との差分を見つける
  • STEP4:STEP3までの分析を踏まえ、企業や社会に受容されやすい自分ならではの強みを定義する

本講義では、ライバルとの差別化や社会での立ち位置を俯瞰(ふかん)することで、より自己分析をアップデートさせられる、としています。

「自己分析」というと内省のイメージが強いことから、視野狭窄(きょうさく)に陥ってしまう就活生も多い中で、発見のある講義になったと思います。

講義③:「未来を描く力」を伝授する

電通の未来事業創研に所属する澁川修一氏が登壇。「過去と未来を繋ぐ、ライフキャリアプランニング講座(後編)」と題して、就職活動からキャリアパス、そして世の中の潮流に至るまで、幅広い領域にわたって応用ができる「未来予測」について講義しました。

「未来予測」と聞くと、夢のような話だと思われるかもしれませんが、本講義でお伝えしたのは「どのような視点を持ち、どのような手法を取ると未来の解像度が上がるのか」という、「未来を予測するためのプロセス」についてです。

採用ブランディングエキスパート

講義の中で澁川氏は、未来を考えるうえで重要な視点として「ある程度確度の高い人口変動予測」「カーボンニュートラルなどの大局的なトレンド」「同じ時期に生まれた世代間で共通する価値観をもとにした、コーホート的視点」「社会の受容性による技術革新の普及の見込み」という4つのキーワードを取り上げました。いずれも「現在」に軸足を置いたものであり、今すぐに活用できる視点です。

就活対策に重きを置く学生にとって、人生全般に汎用(はんよう)性のある「未来予測」の考え方を学ぶ本講義は、より広い視野を持つことができるようになる貴重な機会になったと思います。

講義④:「描いたキャリアの実践法」を伝授する

採用ブランディングエキスパート所属の坂口拓己氏と渡邉里奈、イグニション・ポイント社の藤澤厚太氏が登壇。「エンカレッジOBOGが贈る! 就活生のうちに知っておきたい社会人のギャップトーク!」と題して、就活生時代に描いたキャリアの具体的な実践法について若手3人が語りました。

採用ブランディングエキスパート

とりわけ重要なキーワードとして挙がっていたのが、「OSとアプリケーションの両軸を磨く大切さ」です。

OSというのは、日常業務に向き合う姿勢やコミュニケーション能力などの「人としての基盤」を指します。3人とも共通して「なんにでもトライする姿勢が重要」と語っていました。

坂口氏は「目の前の仕事に向き合ったことでやりたいことが増えた」、渡邉は「学生時代に取り組んでいた就活支援が今の採用ブランディングの業務に直結している」、藤澤氏は「自身のキャリアコーチングの経験が転職先でも生きている」とのことでした。

一方、アプリケーションというのはマーケティングや営業などの職種別のスキルのことで、例えば、プレゼンやロジカルシンキングなどを指します。これらは一度吸収したら終わりではなく、常にアップデートし吸収していく姿勢が重要とのことでした。ちなみに、まずはOSを磨き、そのうえでアプリケーションを強化していくのが望ましい、といいます。

若手社員の実体験に基づくアドバイスによって、就活生の「社会人として働くイメージ」の解像度も上がったのではないでしょうか。

企業も学生も支援する「採用ブランディングエキスパート」

上述のように、採用ブランディングエキスパートでは、「エンカレ大学」を通じた就活生サポートを行っています。その中では、学生との質疑応答やディスカッションの時間も設けており、可能な範囲で、就活生の生の声の収集にも努めています。そうすることで、定量調査だけでは分からないリアルな価値観に迫ることができています。多様な価値観を持つZ世代就活生に対する有効な採用活動を検討する際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

電通 採用ブランディングエキスパート 事務局(西井、岩邊)
Email:recruit-branding-expert@dentsu.co.jp
 
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