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社歌で経営課題を解決!「社歌コンテスト」No.14

社歌が地域活性化の源泉に。日本栄養給食協会の挑戦

2023/07/31

社歌

社歌日本一を決める「NIKKEI社歌コンテスト」(通称:社歌コン)。記念すべき第5回の応募がいよいよスタートしました(応募期間:7月3日〜10月6日17:00)。

今年から社歌コンテストを一緒に盛り上げていくパートナーとして、栃木県内でトップクラスの給食受託サービスを提供する日本栄養給食協会が協賛に加わりました。

第2回社歌コンテストで第2位に輝いたこともある同社は、なぜ社歌コンテストを応援するのか?入賞した社歌に込められた想いとは?代表取締役 橋本正行氏と、企画開発部 部長 入江成子氏に、社歌コンテスト発起人である電通のプランナー森本紘平が聞きました。

【社歌コンテスト】
企業の社内外コミュニケーション活性化を企図した社歌動画No.1決定戦。ウェブの一般投票や審査員審査を経て、決勝進出12社を決定。決勝はリアルイベントのプレゼンテーションと動画上映で順位を決める。2016年にスタート。19年から日本経済新聞社主催の日経社歌コンテストとなる。単体企業の正式な社歌はもちろん、企業の非公式ソング、商店街や連合企業の応援歌、学校や自治体のテーマソング等あらゆる経済活動に関わる方々の思いが詰まった楽曲を「社歌」と捉えている。
https://shaka.nikkei.co.jp

 

「私たちと関わる人たちを笑顔にしていきたい」

森本:この度は社歌コンテストへのご協賛、ありがとうございます。過去の大会で入賞された企業が、社歌コンテストを盛り上げる立場で携わってくださることを非常に心強く思っています。はじめに、日本栄養給食協会のことを教えていただけますか?

橋本:日本栄養給食協会は「食」を通じて、健康に寄与し、文化を創造することを経営理念に掲げ、栃木県内の医療施設や社会福祉施設、幼稚園・保育園、学校、企業等に給食受託サービスを提供しています。他にも外食事業やアグリ事業、食品事業などを展開していますが、根底に通じるビジョンとして、「本物や笑顔」を届けることを目指しています。その実現に向けた取り組みの一環として、地域の幼稚園や保育園、あるいは県内のイベント等で食の大切さを伝える食育活動も展開しています。

森本:ありがとうございます。本業だけでなく地域貢献活動も熱心にされている印象なのですが、社員の方々はどのように取り組んでいるのでしょうか?

入江:私が所属する企画開発部という部署では、新商品等の開発に携わるだけでなく、広報活動や食育活動も担当しており、新しいチャレンジをする文化が根付いています。そして、社内には管理栄養士や調理師などの有資格者、そしてスポーツ・高齢者・幼稚園など各分野の食と健康に詳しいプロフェッショナルがたくさんいるので、テーマに応じて頼れる相談者がいることで、当社らしさのある食育を企画できていると思います。

森本:社員の方々も協力的なんですか?

入江:実は、専門職の中には食育がやりたくて入社した人もけっこう多いんです。そういう方々に向けて「一緒にやりませんか?」と声をかけてみたり、施設の見学会や収穫体験をやる時に社員のご家族の方にもご参加いただけるような工夫をすることで、会社の取り組みを身近に感じてもらえるような間口をつくるようにしています。

アーティストが働く現場に足を運び、インスピレーションを受けて作詞・作曲

森本:日本栄養給食協会は第2回大会にご応募いただきましたが、そもそも社歌をつくったきっかけを教えていただけますか?

橋本:当社の従業員は1000人を超え、県内各地に勤務しています。病院や高齢者施設など、365日運営している現場も多いですから、一堂に集まって何かをすることはなかなかできません。そのような状況の中で、経営理念や当社が大切にしているマインドを浸透させていくには、言葉で伝えるだけでは限界があると感じていました。その手段の一つとして考案したのが社歌でした。

森本:社歌動画では海賊の格好をされた方が歌っていましたけど、あれは社員ですか?

橋本:歌う海賊団ッ!」という栃木発パフォーマンスユニットの内田船長です。彼らは全国の子育てを応援し、エンターテインメントを通じて虐待のない社会を目指している団体です。以前から当社は彼らのビジョンに共感し、その素晴らしい活動を支援していました。そこで、社歌をつくることになった時も内田船長に作詞作曲をお願いしました。

森本:そうだったんですね。歌詞には会社の理念や思いが込められていると思うのですが、どのように内田船長に伝えていったのですか?

橋本:内田船長のすごいところは、当社の現場を自分の目で確かめて、インスピレーションを持ち帰るんです。もちろん、言葉でもお伝えするのですが、実際に高齢者施設やセントラルキッチン、ベーカリー、畑などさまざまな現場に足を運び、深く理解した上で歌詞をつくってくれました。

入江:私は内田船長の取材をエスコートする立場だったのですが、本当にいろんなところに行ってスタッフの方々にヒアリングをされていました。働き手だけでなく、喫食者が食事を召し上がっている様子もその目で確かめて。

森本:すごいですね。アーティストの方にそこまで深く関わってもらうのは、社歌の作り方としてけっこう珍しい気がしています。出来上がった楽曲「ハピネスを届けよう!」には自社らしさを感じましたか?

橋本:非常に感じました。特に「いただきまーす のそのそばに/ごちそうさーま のすぐそばに/みんなの笑顔があるように」という部分は、まさに私たちの思いを表していて、歌いやすいメロディーにうまく乗せているところもさすがでしたね。

入江:私もすごく感動しました。スタッフの方々もすごく喜ぶと思いましたし、みんなの応援歌のような元気な楽曲に仕上げてくださったのがうれしかったです。

新卒採用エントリー数アップ、取引先の解約率減少に社歌が貢献!

森本:社歌コンに応募されたきっかけを教えていただけますか?

橋本:内田船長が見つけてきてくれて、「せっかくなので動画を作ってチャレンジしてみませんか?」と。確か応募締め切りまで3カ月もなかったのですが、ぜひやりましょうと。

入江:そこから急ピッチで内田船長にストーリーをつくってもらい、こちらも社内のメンバーを集めて休憩の合間を縫ってダンスを練習し、撮影に臨みました。オール栃木で臨みたいという思いから、編集はとちぎテレビの制作に携わっている下野テレビ映像にご協力いただきました。

森本:船長はもちろんのこと、出演している社員の方々がとても生き生きとした表情で踊っていて、パワーが伝わってくるような動画でした。タイトなスケジュールの中でも応募を決めたのはなぜでしょうか?

橋本:社歌は経営理念の浸透という大きな目的がありますが、実は「歌う海賊団ッ!」の支援活動の一環でもあるんです。私たちは虐待のない未来をつくるという彼らのビジョンに深く共感しています。それを実現するためには、『歌う海賊団ッ!』の活動をもっと多くの方々に知ってもらう必要があります。内田船長が作った社歌と動画が日本一になれば、『歌う海賊団ッ!』がもっと有名になり、活動が活発になることで、結果的に児童虐待減少にもつながるはず。社歌コンテストへの挑戦には、そのような思いも込められていました。

森本:自社だけをアピールするのではなく、地域の人びとや、自社が応援している企業にとってプラスになるような要素も社歌に組み込んでいるのですね。その結果、巡り巡って会社の成長やファン化につながるという、今の時代にマッチした社歌の作り方だと思いました。しかも、その作品が決勝に進出し、最終的には第2位に入賞するという。この結果は予想していましたか?

橋本:決勝当日は10位から発表で、当社の名前が呼ばれないまま3位まで発表されて、興奮は最高潮に達しました。2位で当社が呼ばれた時には、残念よりも「よくここまで上り詰めたな」という思いで胸がいっぱいになりました。決勝に進むための投票では社員だけでなく、取引先の方々やそのご家族も含めて本当に多くの人にご協力いただいたので、皆さまのおかげだと思っています。

入江:準優勝が決まったあと、お花や電報などもたくさんいただき、社員全員でその喜びを分かち合いました。コンテストを通して社内に一体感が生まれましたし、準優勝をきっかけに新たなチャットグループが生まれるなど、コミュニケーションの活性化にもつながりました。その後、ウェブの新卒エントリー者数が例年の2倍以上になったり、自社理由での取引先の解約件数がゼロになるなど、採用やビジネス面にも社歌が間接的に好影響を与えていると感じています。

森本:すごいですね。ただ社歌を作って終わるのではなく、ビジネス成長につながるところまで育てるための秘訣はありますか?

入江:やはり1000人も従業員がいると、社歌に対する温度差はどうしても生まれてしまいます。そこで、少しでも親近感を抱いてもらえるように、県内各地の施設から写真や動画を集めて社内限定のミュージックビデオをつくりました。投票期間のみならず、コンテスト終了後も定期的に社内向けの情報発信をする際に動画を一緒に紹介したり、社歌のフレーズを伝えるなど、さまざまな形で社歌を伝え続けるように取り組んでいます。

社歌コンを応援することで、地域、そして日本を元気にしたい

森本:そのような中で、社歌コンテストへの協賛を決めてくださった理由を教えていただけますか?

橋本:近年は多様性の時代といわれており、私もその考え方に共感しています。それと同時に、企業は「なぜうちの組織は世の中に存在しているのか?」という“一様性”を追求しなければ存続も成長もできません。私たちは社歌コンテストに出会ったおかげで、その“一様性”がいっそう強くなり、採用や事業にも効果をもたらしてくれました。そのような企業が増えることで、地域がより活性化し、日本全体がより活性化していくことが、結果的に私たちの成長にもつながるのではないかと考えています。

入江:最近、「歌う海賊団ッ!」が栃木県誕生150年記念のイベントでコンサートを開催し、2曲目に当社の社歌を歌ってくださったんです。すると、観客席の子どもたちが立ち上がってダンスしながら歌ったり、ご両親も笑顔で反応してくださったりして、社歌が企業の枠を超えて地域に浸透し始めていることにすごく感動しました。私たちと同じような地域の中小企業も、社歌を通して地域活性化に貢献できるかもしれない。そのようなムーブメントに、協賛を通して少しでも貢献したいと思っています。

森本:企業の社歌がこれだけ地域に浸透して活性化につながっている事例は珍しいと思うので、今年参加される企業の方々にとっても非常に参考になるのではないでしょうか。ぜひ、他のスポンサー・審査員の皆様も含めて、みんなで社歌コンテストを盛り上げていけるとうれしいです。本日はありがとうございました!

「NIKKEI社歌コンテスト2024」公式ホームページはこちら。

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