社歌で経営課題を解決!「社歌コンテスト」No.17
社歌コンテスト2025開幕!大会を支えるガリバーがレコードDMに込めた思い
2024/10/21
毎年多くの笑いと涙を生み出してきた、企業・団体のパーパス体感プラットフォーム“社歌コンテスト”。今年も応募期間が開始となりました。
2024大会からスポンサーとなったガリバーは、大会の価値拡散に貢献したいと、過去応募企業と新規応募企業のそれぞれに向けてレコード型のオリジナルDMを開発しました。社歌コンテストのプロデューサーを務める電通の江口露美が、ガリバーの中島真一社長と企画を担当した井上大輔氏に、DMへ込めた思いを聞きました。
【NIKKEI社歌コンテスト】
日本経済新聞社主催、JOYSOUNDが特別協力する、企業・団体のパーパスを、エンタメを通して体感できる社歌動画No.1決定戦。ウェブの一般投票や審査員審査を経て、決勝進出12社を決定。決勝はリアルイベントのプレゼンテーションと動画上映で順位を決める。単体企業の正式な社歌はもちろん、企業の非公式ソング、商店街や連合企業の応援歌、学校や自治体のテーマソング等あらゆる経済活動に関わる方々の思いが詰まった楽曲を「社歌」と捉えている。
印刷業を営んで75年。紙離れ危機を“DM特化”で乗り越える
江口:本日はよろしくお願いします!はじめに改めてガリバーさんの会社概要を教えていただけますか?
中島:弊社はダイレクトメール(DM)の専門会社です。企画からデザイン、印刷加工、宛名印字、発送代行まですべて社内一貫体制で行えるワンストップサービスを提供しています。横浜で謄写版印刷業として創業以来、今年で75年目となります。社名のガリバーは謄写版印刷、通称ガリ版印刷から来ています。その後、総合印刷会社として歩んでまいりましたが2000年頃にDM印刷を手掛けて以来、DMの専門会社にリブランディングして今日に至っております。
江口:75年はすごい歴史ですね!
中島:ありがとうございます。日本の経済が成長するのと比例して印刷需要が急激に増え、1950年から1990年頃までの間に1000億円の市場が9兆円近くになりました。それくらい急速に成長したから誰がやってもみんな伸びちゃう。だからこの頃、印刷会社がたくさんできたんですよね。
江口:そうだったんですね。
中島:それが1992年頃を境にどんどん印刷市場が落ちていき、今は、4兆5000億円ほど。約半分になっています。弊社も10~20年前はチラシやカタログの印刷が事業の中心でしたが、売上減少に歯止めがかからない状況でした。
江口:そこからDMへの転換はどのように進めていったのですか?
中島:弊社には機械があるし人もいる。とにかく今ある設備や人材をうまく生かして違う業態にシフトできないかと試行錯誤した末に、DMにたどり着きました。チラシやカタログパンフレットって、どんどんインターネットに置き換わっていますよね。印刷業界では20年ほど前からみんな言ってるんです。「紙はなくならない」と。しかし、「じゃあ、どんな紙だったらなくならないんですか?」という質問に対する答えは、誰も言わないんです。
それで自分なりにどんな紙だったらなくならないのかと考えたら、インターネット、ITにない機能があれば生き残れるよなと。じゃあITにない機能って何かと考えたとき、やはりリアルメディアならではの面白さ、開けてみたくなる仕掛け、ツルツルザラザラの触感等でした。こういったメディアを実現できれば、紙は残るんじゃないかと思いました。
中島:その後、大手クライアントの案件で各社のチラシと横並びでテストマーケティングに参加する機会があり、そのときに他社と比べて弊社のDMは約8倍のレスポンス効果があったんです。先方の担当者も驚いていましたよ。
江口:8倍も!すごいですね。
中島:当時、返信封筒の差出人を書くところに宛名と同じ名前を印字したら、結果がダントツに良かったんです。お客さんが欲しいのはこれかと。別にDMをつくることではなく、問い合わせが欲しい、効果が欲しいんだって初めて分かったんです。そこから、徐々にDMの売上が伸びて、それと反比例するように一般印刷は減っていきました。大手クライアントとの直取引も増えて、現在直取引は7割にまでなっています。
昨今は、そこにテクノロジーも掛け合わせています。例えば、DMに宛名情報と紐づけられたQRコードを入れることで、いつだれがどの情報に触れたかを把握でき、クライアントが次の打ち手を考える一助になっています。貴重な予算を預かってDMを実施する以上、広告効果を出すのがわれわれの使命です。
江口:たくさんの業界で急速な変革期が来ていると思いますが、自社の強みや資産を軸にしながら業態転換するガリバーさんのお話はとても勉強になります。さらに、テクノロジーを、自社の強みを生かすスパイスとしてうまく取り込んでいます。歴史ある印刷業界でそれを実現して継続的に業績を伸ばしているのですから本当にすごいです。
中島:ありがとうございます。もっと効果につながるDMを追求していきます。
江口:DM専門として大きな成果をあげていますが、何かに特化して勝負することは勇気がいると思います。その姿勢の泉源はどこにあるのですか?
中島:スポーツですね。大学から競技スキーを始めた時も種目を絞って一点突破し、全日本予選で2位になって国体に出場しました。
江口:大学から始めて国体出場はすごいですね!勝負するポイントを絞って、徹底的に突き詰めれば成果を出せる、その姿勢がDM特化を打ち出したことにもつながっているんですね。
中島:そう思います。長らく、印刷事業は下請け、孫請けの世界で悔しい思いをすることもありましたが、自分たちの強みを持つことは自信にもつながります。「ここならどこにも負けない!」は、社員の皆さんの活力にもなりますよね。ビジネスもスポーツと同じで、勝ち続けるためにどうしたら良いかを考える。そうすると、やっぱり私たちにしかできないことをやるしかないんですよ。
仕事に対する情熱や大会コンセプトに共感
江口:社歌コンテスト協賛のきっかけを伺えますか?
中島:きっかけは、御社(電通)の森本紘平さんからの提案だったからに尽きます。森本さんの真摯な姿勢とか人間性とか、何より仕事に対する情熱を感じていました。彼が立ち上げた企画であることは知っていましたし、長年われわれのような中小企業とのプロジェクトに注力していることもあり、彼がやるんだったら協力したいと思いました。実際に参加してみると、応募企業の皆さんの熱量がすごくて感動し、ぜひ応援したいと思ったんです。
江口:森本との絆がベースにあったのですね。当社は人が最大の財産であるとうたっている会社なので、そういったお話を伺えるのはなんだかとても励みになります。
中島:実際にリアルで会って話さないと伝わらないですよね。森本さんとのつながりでこういうふうに関わらせていただいてうれしいですよ。それから、過去の大会も拝見させていただいたのですが、きっと皆さんも忙しいのに、仕事の合間を縫って曲や動画を作ったり、歌やダンスを練習したり、遊び心も持ちつつ真剣に取り組んでいるじゃないですか。そういう方々が集まって作り出す空間だからこそ生まれる感動があるんですよね。私たちもDM事業を通じてリアルメディアにしかない価値や、面白さやワクワクを起点にした課題解決を追求し続けている企業ですので、大会コンセプトには共感しかないですね。
江口:そうですね、ここまで企業規模や業種を超えて情熱と行動力を持った人たちが集まる場はなかなかほかにないと思います。
中島:「社歌」というコンテンツに特化することで、規模や業種は関係なく同じ土俵で真剣勝負でき、その過程で社内外に変化や新たなつながりが生まれる。そんなところも弊社の姿勢と共鳴していると感じています。そして、社歌コンテストをきっかけに、そういう方々との新たな出会いが生まれるのも魅力ですよね。実際に弊社も社歌コン経由で新規のDM受注につながったりもしていて、本当に良い機会をいただいたと思っています。
江口:私も今年から社歌コンテストの企画・運営を担当していますが、世界的な大企業から地域の中小企業・団体まで、経営層やキーパーソンが熱量を持って参加していることに驚きました。社歌動画は、企業のパーパスを伝える最も有効な手段だと思います。社歌コン経由でガリバーさんのDM受注につながった話もありましたが、この独特で前向きな雰囲気から応募企業同士や、応募企業とスポンサー等、新しい連携も生まれています。
レコード型DM誕生の背景にあった、「もっと良くしたい」という思い
江口:今回社歌コンテストの過去応募企業へ向けて、再応募を促進するDMをガリバーの井上さんにお願いしました。もともと「去年作ってもらったDMの文言を変える程度で」という依頼だったのですが、井上さんから「アイデアを持ってきました!」と言って、このレコード型DMの案を出していただいた時は、本当に感動しました。限られた時間の中で、もっと良くしよう、もっとたくさんの企業に参加してもらおうっていう真摯さが伝わってきました。どんな思いで企画されたんですか?
井上:弊社には、言われたことだけやるのは面白くないという社風があり、せっかくやるならより効果が出て喜んでもらえる可能性がある企画を考えようと思いました。きっと、社歌コンテスト事務局からは「昨年の改訂で」というオーダーがくると思っていたので、アポ日程が決まって1週間ほどで企画しました。去年から社歌コンとしてSNSに力を入れ始めたと伺っていたので、受け取った方が写真を撮ってSNSにあげたくなるような企画を考えました。
江口:最初の打ち合わせ時に試作品まで仕上げていただいていたと思うのですが、工場の方にも相談するわけですよね?ちょっと試作してみたいって。そういう時って工場の皆さんはどんな反応なんですか?
井上:工場もウェルカムです!会社一丸となって効果のあるDMを創ろうとしているので、急な相談も親身に対応してくれます。本当にありがたいです。
江口:素晴らしい一体感ですね。今回のレコードDMは手に取ってみると、本物のレコードのように光が反射するんです。円盤を触っているかのような手触り感もあってより感動が増しました。「なるほど、こういったリアルでしか体験できない仕掛けを駆使して効果の出るDMが作られているのか!」と納得しました。中島社長から見てこのレコードDMはどうでしたか?これは驚いたのではないですか?
中島:まあまあ……本当はもっとザラザラ(手触り感)が欲しいよなって(笑)。
江口:社長、厳しい!(笑)
井上:私が中島さんにお見せした時は、「おっ、良いじゃん!」っておっしゃってましたよ。
江口:照れ隠しだったんですね(笑)。また、このレコードっていうのが粋なんですよね。
井上:前回の決勝戦に参加した時に年齢層が高めの経営陣の方も多かったので、そういう層の人に刺さる音楽といえば?といった連想ゲームみたいな形で、レコードにたどり着きました。ですが私はレコードの実物を見たことがなかったんです(笑)。
江口:今だったらスマホや配信サービスでいろんな音楽が聞けるじゃないですか。そっちに企画を振ることもできたはずなのに、あえてアナログのレコードを選んだところにセンスを感じました。ほかのスポンサーの方たちもDMが届いた時、皆さん感動して「本物のレコードだと思った!」っていうメッセージが来ていました。
井上:ありがとうございます。社歌コンテストは本当に素晴らしいイベントだと思っているので、その価値を私たちのDMでより広く拡散できるとうれしいです。
江口:しかも今回、私たちからは「過去応募された企業へのDM」を依頼したのですが、それに加えて「今回応募された企業に送るDM」まで企画を広げて自主提案していただきました。心を込めて社歌動画を作った応募企業が社歌コンテストという場を最大限活用するためのSNS活用法等をコンパクトにまとめていただきました。こういう受け手側の気持ちを考えたきめ細かなアイデアを提案してくださったことも、非常にありがたく思っています。
社歌コン2025募集中!「仕事って、最高のドラマだ。」
江口:社歌コンテスト2025は、全参加チームの中での1位であるNIKKEI社歌大賞以外に新たに部門別の最優秀賞が3つも創設されました。
- 大企業・中堅企業部門
- 中小企業・事業所部門
- 団体部門
詳細は、公式サイトをご覧いただければと思います!年々盛り上がりが増している公式YouTube大賞も継続しています。過去決勝進出してない動画は、同じ動画でのエントリーも可能です。同じ動画の連続応募で決勝進出した企業例もあります。
井上:今年はさらに進化していますね!
江口:そうなんです!最後にお二人から社歌コンテストに応募される企業へ向けてメッセージをお願いします。
井上:去年の決勝戦は本当に感動して、思わず泣いてしまった楽曲もありました。今年もそういう社歌と出会えることを楽しみにしています!
中島:DMもそうですけど、人の感性に訴える企画ってそこに遊び心がないとうまくいかないと思っています。僕の座右の銘は「笑う門には福来たる」なんですが、社歌コンテストもそれに近いと感じます。あれだけの参加者が本業プラスアルファで、熱量を持って楽しみながら取り組んでいるのですから、本当に感心します。もっと大きなブームになる予感がしていますよ。
今の日本の実業界でこういうピュアなイベントってないんじゃないですかね。ピュアすぎますよ!そんなイベントに社会人が真剣に取り組んでいる姿を目の当たりにすると心躍ります。応募企業の皆さまの社歌動画に触れるのが今から楽しみです。微力ながらスポンサーの1社として応援していきます!
江口:熱いメッセージをありがとうございます!普段働いていると会社について俯瞰的に考えることって、なかなかないと思うのですが、やっぱり社歌っていう限られた時間とワードの中で、何を作ってどうアピールするか、みたいなことって、すごく良い機会になると思います。何よりその過程で会社に対しての熱量や情熱が湧き上がることもあると思います。
今回、「仕事って、最高のドラマだ。」というコピーで各種広告を展開しています。この言葉通り、日々世界の職場で生まれている、“心温まるドラマ”を、体感いただけるコンテンツに、主催の日本経済新聞社さんや特別協力のJOYSOUNDさん、その他スポンサー各社さんとも協力して育てていきたいと思っています。本日はありがとうございました!